みずいろランド

埼玉県在住、映画好き母+コーヒー好き父+電車好き小3男子の3人家族。試行錯誤の子育て記録&情報を中心に。

映画「ギャングース」あらすじ&感想。込められたメッセージを解く

こんにちは、みずいろ母のエリです。

犯罪や暴力は苦手…なのですが、大好きな渡辺大知が出るなら観たい♡という極めて軽薄な理由で見ることに決めた「ギャングース」。思っていた以上に見応えがあり、多くの人が知るべき現実が描かれた作品だと思ったのでご紹介します。

 

映画「ギャングース」はどんな作品?

 

原作は人気コミックの「ギャングース」。原案はルポルタージュ「家のない少年たち」

 

漫画が原作とのことで完全なるフィクションかと思いきや、この作品には原案がありました。それがルポルタージュ「家のない少年たち」。

 

ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫)

ギャングース・ファイル 家のない少年たち (講談社文庫)

 

 

 

著者の鈴木大介氏が10年間にわたり入念な取材を行ってまとめたこの作品をベースにし、漫画化ではエピソードやディティールが脚色されてフィクションとなってはいるものの、犯罪の手口や詐欺グループの実態、少年少女の貧困や犯罪者になる過程などはかなりリアルなんだそう。映画を観る前にそのことを知り、複雑な気持ちに。“楽しみに観る”というよりは、気合を入れ覚悟を決めて、今ある現実を知るための社会勉強だと思って観てきました。

 

あらすじ

 

親から虐待され、まともに教育も受けさせてもらえず、犯罪者となってしまったサイケ(高杉真宙)・カズキ(加藤諒)・タケオ(渡辺大知)は少年院で出会った3人。犯罪者の盗んだ金品のみを狙う「タタキ」を繰り返しながら身を潜めて肩を寄せ合い暮らしているが、情報屋兼道具屋の高田(林遣都)にも足元を見られ、最底辺の生活を余儀なくされている。また、「タタキ」は盗みがバレても警察に通報されることはないけれど、相手は犯罪者。見つかったら逮捕とは比べ物にならないほどの地獄が待っているのは想像に難くない。ある日偶然、“半グレ”系アウトローの犯罪営利組織カンパニー「六龍天」の振り込め詐欺のアガリ(収益金)の隠し場所を知った3人は、危険を承知でそこに狙いを定め、順調にタタキを繰り返していくのだが…。

 

これがすんなりうまく行ったら、おもしろい映画にはならないわけで、そりゃあもうドキドキ&ハラハラ&イライラ&オロオロ&ムカムカ&ヒヤヒヤなどなど、寿命が縮まる思いで駆け抜けた2時間でした。

 

映画「ギャングース」を観て感じたこと

 

なぜか共感してしまう人間味あふれる登場人物たち

 

この映画はクライムムービー。出てくる人物は犯罪者だったりキャバ嬢だったり。なんとなく恐いイメージがあって、自分とかけ離れているように思ってしまうけれど、そんなことはない。仲間を思いやったり、孤独がとてつもなく怖かったり、親を憎しみきれなかったり、傷ついたり、他人を羨んだり、人の痛みが想像できたりもする普通の若者。スタートラインが違ったら、彼らにももっと別の人生があったんだろうなぁ…と思うから、自分でも予想外なほどしっかり共感&感情移入できました。俳優さんたち、みんなお上手^^

 

犯罪=悪い。じゃあ、彼らは生まれながらの「悪」なのか。

 

タタキは窃盗で、窃盗は犯罪で、まぎれもなく彼らは犯罪者で加害者。でも映画を観れば分かるけれど、彼らは親や社会から見放された元被害者。明日の命の保証もないような状況から必死に生きながらえてきた圧倒的弱者である彼らがようやく毒親などからひとり立ちして、なんとかこの生活から抜け出したいと思っても、いわゆる普通の社会に彼らの受け入れ先はとても少ない。また、お金を得るための社会構造の最底辺にいる彼らに待ち受けているのは搾取に次ぐ搾取。詐欺店舗を統括する立場にある加藤(金子ノブアキ)が、実行犯である部下のプレイヤーたちにこの構造を説明していたシーンがあったのだけれど、説得力が半端なくてついつい感心してしまった後、いたたまれなくなった。

だからって罪を犯してもいいのか?と聞かれれば、それに頷くことはできないけれど、それ以外の生き方が選べる世の中ならば、彼らの多くはきっとそっちを選んでいたでしょう。「罪を犯さず、普通に生きる」ということが、元被害者たちにとってあまりにも難しいという現実に胸が痛んだけれど、だからと言って何をどうすればいいのか分からないけれど、知らないままでいるよりは知れて良かったと思うのです。

 

真面目に書いてしまいましたが、この作品はエンタメです!

 

観た後もいろいろ考えさせられることの多いこの作品。私自身が子育て中で、また子どもの貧困や虐待など、個人的に興味のある分野に関係しているので、真面目に観て、熱く語ってしまいましたが、本当はもっと気軽に観られるエンタメ作品です。

友情や少年たちの葛藤、相手との駆け引きなど、ジェットコースターに乗った気分でドキドキハラハラを楽しむのが、正しい楽しみ方なのかもしれません。ほっこりする場面もあるし、個性的な役者さんたちが演じる濃いキャラクターたちもとーっても魅力的。暴力シーンが多いので苦手な方はツラいかもしれませんが、割り切れる方は是非♡

 

作者の想いが集約。印象的だったシーン

 

悲しい生い立ちを経て犯罪者になってしまったある登場人物に向けて、中流家庭で普通に育ってきたであろう一般人が正論を語るシーンがあります。それは、知らないから、想像さえできていないから言えること。映画を観る前なら、もしかしたらそれほど嫌悪感がなかったかもしれないし、何なら共感してしまったりもしたかもしれないけれど、今となってはそんな自分に嫌悪感。このシーンをこういう気持ちで観せるために、この作品は作られたのだと思いました。興味が湧いたら、ぜひ映画を観て確認してみてくださいね。

 

とはいえ、この映画、残念ながら興行はあまり芳しくないよう。公開されて2週間ほどで打ち切りになってしまった映画館も多く、ビックリしました。好き嫌いが分かれるのは分かるけれど、知るべき現実が描かれたクオリティの高い映画で、観る価値があると思ったんですけどねー。でも、今から上映が始まる映画館もありますよー。

 

ギャングース 劇場情報

 

ということで、今年初のおすすめ映画紹介でした。(観たのは去年だけど^^;)今年もいっぱい映画を観て、おもしろかった作品は、こちらでもっと紹介していきたいと思います。以上、邦画大好きみずいろ母のエリでした。